今回は持ち家の契約の流れについてお話しするよ~
前回の記事では、賃貸住宅の契約の流れについて紹介しました。今回の記事では、持ち家についても紹介したいと思います。賃貸契約の流れと似ていますが、持ち家の場合は物件の探し方に多少制約が出てくるので気を付けましょう。また、数千万円単位の契約になるので、賃貸より慎重に進めましょう。家は贅沢品だから損得関係なく、自分の好みだけで決めたいという考えの人にとっては今回の記事はあまり参考にならないかもしれません。
まずは住宅検索サイトで相場を知りましょう
賃貸の場合と同じく、不動産屋に行く前にSUUMOやホームズといった住宅検索サイトでどのような物件がいくらで出されているか調べてみましょう。持ち家の場合は、値下げすることを前提にしているのか、条件のわりに割高価格で掲載されている物件が多い印象です。そういった割高物件は徐々に値下げされていくので、まずは3日に1回ほど掲載物件をチェックするのを1~2か月繰り返して、相場感を身につけてください。
また、中古マンションの場合は、同じマンションや似た条件のマンションの過去の取引価格を調べることで相場を調べることができます。
戸建の場合は、地価公示を参考に物件の土地価格を算出することをおすすめします。地価公示では、全国の土地を抜粋して、1㎡あたりの土地価格が公表されています。掲載物件近くの地価公示と物件の土地面積をかけると土地の資産価値が概算することができます。建物価値のわりに物件価格が土地の資産価値に対して大きく上回っている場合は相場より高いのかもしれません。ただし、どんな商品も価値(原価)に利益が上乗せされているので、多少は公示価格より高くなるのは仕方ありません。
地価公示は、土地鑑定委員会が毎年1回標準地の正常な価格を公示し、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格算定の規準とされ、また、国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の規準とされる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的としている。
出典:国土交通省
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000122.html
マンション・戸建に関わらず、新築は建設業者や販売業者の利益がどうしても上乗せされているので、物件の資産価値を超えた価格になっています。新築に大きなこだわりがなければ、中古住宅にした方が無難かもしれません。
書籍やウェブ検索で情報収集をしましょう
住宅探しと並行して、住宅購入の詳細説明や注意点を情報収集しましょう。当ブログでは住宅購入の流れの注意点を経験者の1人として紹介していますが、専門家の意見も参考にすべきです。住宅は何千万円の買い物になるので、面倒くさがらず必ず書籍などで勉強しましょう。書籍の場合は、1人の意見だと偏ってしまう可能性があるので、3冊程度は読んでおきたいところです。3000円程度の出費で数百万円単位の損失を抑えられるかもしれないので、手間を惜しまないようにしましょう。
物件の探し方
持ち家の場合は、将来の売却も考慮して資産価値が落ちにくい物件を探しましょう。買った家に一生住む予定の人も、将来何らかの事情で売却する必要に迫られる可能性はあります。需要があれば価格は上昇するため、以下のような他の人も欲しがる条件で物件を探しましょう。
- 人口が増えているエリア
- 立地が良いエリア
- 間取りが良い
- 日当たりや・見晴らしが良い
人口が増えているエリア
そもそも需要がないと売却するのが難しく、仮に売れても買った価格より大きく下落した価格でないと売れません。日本は下図のように人口が減少し続ける予測があるので、住宅価格は下落する可能性がありそうです。このデータでは東北や四国では2050年の人口は2020年と比べて30%ほど減っている一方、南関東では5%程度しか減っていません。南関東のような人口が減りにくいエリアでは、人口減少が原因で大きく物件価格が下落することはなさそうですね。
出典:国立社会保障・人口問題研究所
ただし、東北の中の仙台市のように、地域でみたら人口減少率は大きくても、局所的には人口が保たれる地区もあります。気になっている地域の市役所などのホームページから人口推計データを参照するようにしましょう。
立地が良いエリア
立地が良いといっても色々あるため、以下に様々な立地が良い例を挙げてみました。
- 主要駅または主要駅にアクセスが良い駅
- 主要駅から離れているが始発があるターミナル駅
- 特急が止まる駅
- 駅周辺の開発が進んでいる駅
- 子育て支援に力を入れている市区町村
- 静かな住宅街
駅周辺が栄えている主要駅や主要駅にアクセスのよい駅は需要が高いため立地が良いといえます。主要駅から離れていても、始発で毎日座って通勤できるなら気にしない人もいるので需要はありそうです。また、最近では子育て支援に力を入れている市区町村もあり、そのような地域には子育て世帯が移住し、人口も増えています。人口が増えると住居の需要が上がっていくため、資産価値が極端に下がることはないでしょう。
このように物件探しでは、今後も一定の需要があるエリアを狙うと住宅の資産価値が大きく下がることは避けやすくなります。設備や間取りと違って、不動産という字のごとく立地だけは後から変えることはできません。エリアには特に気を配りましょう。
ただし、立地が良い物件は当然物件価格も高くなります。いくら気に入った物件でも月々の支払い額が予算を上回ることはないように気をつけましょう。予算の決め方は以前の記事で紹介しているので参考にしてください。
不動産屋も活用しよう
賃貸の場合と同様に、希望の物件がなかなか見つからない場合は不動産屋にも相談しましょう。相談の場合は、予算・希望のエリア・間取り・生活のイメージを伝えるとより的確なアドバイスがもらえるかもしれません。
不動産屋によっては、より手数料が取れる物件を紹介してくるケースもあるので、時にははっきりと断りましょう。数千万円の買い物です。納得しないで契約に進むのは絶対に辞めましょう。
住宅ローン事前審査
住宅購入を本気で考えているなら、事前に住宅ローン事前審査をやっておくのをおすすめします。不動産提携のローンより金利が安くなる可能性があるので、住宅ローン比較サイトからいくつか選んで申し込みましょう。また、審査結果は半年間ほど有効な銀行もあるので事前にやっておくと、急に住みたい物件が見つかっても事前審査を使えます。
内見
賃貸と同様に、希望の物件が見つかったら物件に問い合わせて内見をしましょう。内見では以下のことに注意して確認しましょう。
- 駅から物件まで実際に歩いてみる
- 騒音の確認
- 日当たりの確認
- 共用部が荒れてないか確認
- シャワー水圧の確認
- 使用している家具を置けるか確認
- 物件周辺にスーパーなどあるか確認
- 前住人の退去理由
中古住宅の場合は、もともと壊れていても自己負担で修理しないといけなくなる可能性もあるので、壊れているところがないかを注意して内見しましょう。契約前だと交渉次第で売り主負担で直してくれることもあります。
ちなみにJody家の場合は、シャワーの水圧が弱く、内見時にチェックしとけばよかった~と後悔しました。。。
申し込み
内見をして住みたいと思った場合は、申し込みしましょう。内見時にはテンションが上がってしまって、正常な判断ができなくなる可能性もあるので、最低でも1晩置いてもう一度考えましょう。
申し込みの際には、もともと価格交渉を前提に物件価格を決めている人もいるので価格交渉すると安くなるかもしれません。ただし、価格交渉は本当に住みたいと思った物件にのみ行ってください。そして価格交渉をする理由も添えて、○○円値引きしてほしいと具体的な金額を提示するようにしましょう。
みなさんが売り主だとして「特に事情はないですがとりあえず値引きしてください」と言われても値引きしたくないですよね。住みたい理由や値引きの事情を話してくれる方が値引きしてあげたくなりますよね。また、営業マンを味方につけるために、本当にここに住みたいという気持ちを伝えましょう。特に理由が思いつかない場合は、「とても気に入ったんだけど予算的にちょっと厳しく、値段を下げて欲しい」と理由をつけるといいかもしれません。仮に値下げしてもらえなかったとしても、親が出してくれましたと言えばいいので。
ちなみに、Jody家の場合は、出産と住宅購入が重なり、支出が一時的に多くなるので値段を下げて欲しいと交渉し、値段を下げていただけました。
重要事項説明書
物件価格に納得し、この物件に住みたいと思ったら申し込みし、重要事項説明を受け、契約に進みます。
賃貸の場合と同様に、重要事項説明書は事前にもらうようにしておきましょう。契約に不明点を残して、後に不利な契約だったとならないように、事前に目を通して不明点は質問しましょう。特に、重要事項説明書の特約の部分は注意して目を通すようにしましょう。また、言った言わないの水掛け論を避けるために、重要事項説明書の説明中はボイスレコーダーで録音しておきましょう。重要事項説明書の内容は素人には難しいので、分からないことは身近な人に聞いたり調べたりして不利な契約にならないように注意しましょう。
ちなみに契約の際に手付金を払うのである程度貯金が必要です。手付金は数十万~数百万円と物件価格によって異なります。契約後に、何らかの事情で購入を見送りたいと思った場合は、手付金を売主に渡すことで契約解除ができます。もちろん何もなければ手付金は帰ってきます。
契約が終わると引越しの準備が必要です。賃貸の場合と同様に、引越しは複数業者に見積もりを依頼して、価格交渉しましょう。
まとめ
今回の記事では、持ち家の契約の流れについて紹介しました。家は数千万円の買い物です。必ず知識を身につけてから購入に臨むのをおすすめします。
住宅は資産性を考慮して、立地や周辺環境を意識して物件を探しましょう。賃貸の契約と同じく、一度契約を結んでしまったら後から文句は言えないので、契約書はしっかり目を通し、不明点は質問するなり調べるなり自分で納得してから契約しましょう。
それでは、今日はこの辺でさいなら~
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